INJタイ語講師 ゴー先生

Vol. 5 タイの花

INJ講師ゴー先生のコラム
サワディー・クラップ ポム・チュー・ゴー!(こんにちは、ゴーです!)



みなさん、タイの国花をご存じですか?

タイといって真っ先に頭に浮かぶ花は、仏教の国だから蓮?それとも空港などでよく見かける蘭?….でしょうか?正解はラーチャ・プルックです。地方によって呼び名が違い、クーンの木という名前の方が全国的に一番良く呼ばれていますが、正式名はラーチャ・プルックです。 英語名はgolden shower 。和名は南蛮サイカチといいます。
マメ科の落葉樹で、英語名のゴールデン・シャワーからも想像できるように、細い枝が長くたれ下がっており、まさに、黄金のシャワーみたいな木です。枝垂れた姿は同じマメ科の藤のように見事で、花が散ると地面が黄金の絨毯になり、桜の花のように散った姿も楽しめる、日本での知名度が低いのが不思議なくらい美しい花です。

1951年6月24日のタイの植林の日(arbour day)に政府は、まだ国花が決まっていなかったため、タイ国花を選定することに決めました。その年にタイ農業省の林局がタイ人に役に立つ植物を植えましょうと国民達に提唱しながら国花にク-ンの木を提案しました。そして、1963年にラーチャ・プルックが正式にタイの国花になりました。(同時に国の動物は白い象と決めました。また、政府は2001年にもう一度あらためて国のシンボール三つをまとめて発表しました。それは国花のラーチャ・プルック、国の動物の象そしてタイ建物のタイ式の休憩所、Salathaiです。)

何故、この花がタイの国花に選ばれたのでしょうか?

この花はタイ全国にあります。どんな土でもタイのどこの地方でも生えてくれる、寿命が長く強い花で、タイの夏(3月~5月)に満開となります。この時期はタイで最も祭りが多い時期で、特に4月の水かけ祭りが大規模で有名ですね。祭りに花を添えてくれるラーチャ・プルックはタイ人のだれもが愛する花なのです。 それにこのラーチャ・プルックは神聖な植物として吉祥な儀式用の葉や木材によく使われています。それから葉や花や実や木の色々な部分が薬剤として使われています。

黄色は仏教のシンボルの色です。

また、ラーチャ・プルックは国王の植物という意味です。現国王のラマ9世は月曜日に生まれました。タイは曜日によって色が決まっています。日曜日は赤、月曜日は黄色、火曜日はピンク、水曜日は緑、木曜日はオレンジ、金曜日は水色、土曜日は紫です。王様のお誕生日が月曜日だったので黄色が王様の色となっています。そのため、国王がどこにいっても歓迎の飾りは黄色です。また、王様がタイ人に勲功・功労を授ける際の儀式用の木棒にもゴールデンシャワーの木が使われています。

色はタイ人にとって特別な意味がありますが、色の話はいつか詳しくお話しするので、今回はこのくらいにしておきましょう。

1987年、国王のラマ9世の60才の誕生日を祝うために、タイ政府は全国で99999本のラーチャ・プルックを植えさせました。何故99999本なのでしょうか?タイのラッキーナンバーは9です。9(ガ-オ)には“step forward (前進、進む、進歩)”と同じ発音、同じ意味があります。(タイ語の文字で書く時はつづりが違います)日本でいうと、“ご縁がある”が一番近いかもしれません。数字のお話もいつかもっと詳しくお話ししますね。

今ではタイのどこにいってもラーチャ・プルックを見かけることができるほどになりました。皆さんもタイに行ったら是非、黄色い花を見つけてくださいね。黄金色に輝く花々が降り注ぐように咲いていたら、それがラーチャ・プルックです。